幸村+伊達+佐助
筆頭キャラ崩壊。
幸村の声はよく通る。
喉の奥、肺よりも奥、下っ腹から出ているのであろう声は暑苦しく、本人が意識して叫ぶ時にはその威力は絶大だ。聞き苦しい、そう思わないのは不思議だが。
まあとにかく、俺の平和な昼下がりはその声に侵された。
「むあぁあさあああむねどのぉぉおおおおお!!!!!!」
鼓膜が破れんじゃねぇかと思った。弁当も食い終わってゆっくりと午睡していた俺は一瞬で覚めた眠気に青筋を立て、スパーンと教室の窓をたたき付けるように開けた。
「真田幸村あぁああぁあああ!!!でけぇ声で人の名前呼ぶんじゃねぇええええ!!!」
姿も確認せずに校庭に向かって怒声を放つ。いるだろ。どうせ。
「政宗殿ぉぉおおおお!!!お相手願います!!!」
予想を違わず、俺の声に答えたでけぇ声の主は校庭のど真ん中で目立とうと両手を振り回していた。その足元にあるのはサッカーボールだ。今日はサッカーか。
「Ha!相手をしてやる道理はねえがなっ!」
「逃げると申されるか!!!」
「You are joking!」
誰が逃げるか。窓枠に右足をかける。
「ちょ、伊達チャンなにしてんの!?」
さあ跳ぶかって時に後ろから声をかけられた。うろんな目つきで振り返ると、牛乳パック開けてこっちを見ている派手な頭の色をした男が立っていた。俺はニヤリと口角が釣り上がるのを感じた。
「猿飛佐助。今おめーの息子からの熱烈なアプローチをいただいたところだ」
「は?いや俺まだ高校生なんで息子は」
「てことでおまえもこいや」
「何が!?なにがてことなの!?」
やめてちょっまじ後ろ向きはやばい後ろ向きはまじでやばい、ギャースカ叫ぶ猿飛のワイシャツの襟を掴み、改めて俺は窓枠に足をかける。
「Wait for me !」
待ってろよ真田幸村!
白亜の校舎に幸村顔負けのでかさで猿飛の悲鳴がこだました。
私は佐助をなんだとおもってるんだ・・・!!!(ほんとだよ)めんどくさくなってというよりこのシーンが書きたいだけの長さ(笑)
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